碌々禄録

好きな事を喋ります

Jimi Hendrix

 ツェッペリンと来たらジミヘンの話もせねばなりますまい。とは言いましても、ジミヘンの事なんて俺なんかが語るまでもない話でありますので、これまで通り俺にとってのジミヘンの思い出を語る事に終始するか、本当にどうでも良い話になるか、の、どちらか、あるいは両方の予定であります。

 ツェッペリンを初めて聴いてからさほど時間の立たぬ頃に、ヒラヒラした変な襟と袖の服を着てぶっ飛んだフレーズをガム噛みながら弾く、時には事もあろうに歯で弾いたりもする変態のVTRを見ました。それが、かの有名なジミヘンだと知り興味を持ち、慌てて適当にアルバムを買いました。

 RadioOneというアルバムでした。よくあるBBCラジオでのスタジオライブの模様を納めた物だったと思います。ほとんど同じ頃にIn the westというアルバムも買いました。これは色んなライブ音源の詰め合わせです。何で普通のアルバムでなくこんなブートレグ(ではないけど)まがいのモノから手を出したのかは謎ですが、どちらも当たり、だったと思います。

 ジミヘン未発表音源が、本人まだ生きてんじゃねーの?ってくらいの勢いで発売され続けてるってのが当時の状況でして、その中にはどーしようもない、どー考えても本人が弾いてない、知らねー奴が何となく似せて弾いてるだけの、しかもダラダラしたレベルの低いジャムセッションとしか思えない様なクソ音源も混ざってました。それを知ってるって事はそういうアルバムを掴まされた事があるって事です。そんな田んぼのカラス避けにしか使えない様な、丸いことしか取り柄のない、可能ならばドラえもんの主題歌でも上書きしちゃった方がまだ価値があるCDの内の一つのライナーノーツに、ジョニー大倉の解説が載っておりまして「これは多分本人の演奏じゃありません」みたいな事が書いてありました。何でそんな解説引き受けたんだろ?ジョニー大倉の面白コメントのおかげで魂が救われた様な気がしましたが、限られた小遣いをそんなものに使ってしまった事は誠に痛恨の極みでありました。ここに遺憾のイと残念のザを表明いたします。

 当時、何でそんなゴミ音源が沢山売られていたかというと、我々ジミヘンファンにとってそういうモノは、SFファンやオタクにとってのスターウォーズとかエヴァンゲリオンエヴァ最新作は最高に面白かったですけど)なんかの続編やスピンオフ作品のようなモノで、さほど興味が無くても出たらとりあえず聞いておかなくてはならない、いわば税金のようなモノでありますから、ゴミと知りつつも買う奴はいる訳です。俺の事です。

 話戻しますが、In The Westのレッドハウスは超名演だと思います。クソ長いけど全編いい意味で鳥肌モノであります。

 また話がそれますが、昔テレビで学者か何かが、「『感動して鳥肌が立った』というのは間違った表現だ。感動した時はジーンとした、と言うのだ」と主張していましたが、比喩表現ではなく実際に鳥肌が立つのだから良いではないか、さてはこいつバカだな、と思いました。

 話戻します。In the westに中途半端な形で入ってるビートルズのサージェントペパーズロンリーハーツクラブバンドのカバー(スパニッシュキャッスルマジックのイントロみたいな感じで演奏してるけど、肝心のスパニッシュキャッスルマジックのイントロ部分でフェードアウトしちゃう)も勢いがあって良いです。当時ビートルズローリングストーンズなんかの大御所もジミの追っかけみたいなことをしており、ビートルズはジミがサージェントペパーズをカバーした事を、本物に認められた、と感じて大変喜んだんだそうです。

 RadioOneはスタジオライブということもあってか、かなり丁寧に演奏しており、大変聞きやすく、かつシンプルです。

 と、ここまで書いて作品や演奏の批評をしてもしょうがないな、と気づいたのでやめます。別にそんな話したくないし。俺が話したいのはジミヘンがいかにヤバいレベルの天才か、ということなんです。よくいる、若いうちに死んだから伝説になっただけの男、ではないんですよ。

 マイルスデイビスが自分のバンドのギタリストに、ジミみたいに弾け、と言ったのは有名な話です。ちなみに、マイルスはジミの葬儀委員長を自ら買って出たらしいですね。そんだけ才能認めてたって事です。Fender社の創始者レオ・フェンダーはジミヘンの演奏を見て、俺はストラトキャスターにあんな使い方を想定してない、と怒ってた、みたいな話をどっかで聞きました。記憶違いかもしれません。これらの話で俺が言いたいことは、ジミヘンがどんだけエレキギターの未知の可能性を引き出したかってことなんです。とか言うとどっかで誰かが言ってたことがあるようなよく聞く話になってしまってムカつくのでこの話もやめます。それにギターの弾き方が凄い、とか上手いってだけじゃないし。

 かのフランクザッパがジミヘンの演奏を評して、今の奴らで音楽らしいことやってんのはジミだけだ、と言ってた、なんて話もあります。そうなんですよ。肝心なのは音楽として素晴らしいってことなんです。ちなみにフランクザッパはジミヘンを可愛がってたらしいです。きっかけは、ジミがザッパの家の玄関先で立ちションしてるところをザッパの嫁さんのゲイルが見つけ、なぜか家に招き入れ、ザッパがギター弾かせた、ってな事だったんだそうです。ザッパの嫁さんのゲイルは、ことあるごとに娘や息子たちに、ジミのチンコはデカかった、ってよくわからない自慢をしてたそうです。

 もう今日は疲れたのでジミのチンコはでかいということを皆様にお伝えさせていただき、それを持ちまして、ご挨拶へと変えさせていただきます。