碌々禄録

好きな事を喋ります

映画"Zappa"


https://youtu.be/27CZItkxbCA

見てきた。全国7館上映。いくらなんでも少なすぎだろ。静岡県内に上映館はなく、名古屋まで足を運んだ。シネマテークさん上映してくれてありがとう。

シネマテークさんありがとう。

日本国内での知名度が異常なまでに低いFrank Zappaだが、内田裕也がいなかったらもっと低いままだっただろう。若かりし内田裕也氏が米国滞在中Frank Zappaにクレイジージャパニーズボーイなどと呼ばれ可愛がられており、Frank Zappaに日本公演の話を持ちかけたおかげでいくらか(日本)国内での注目度が上がり国内盤レコードが売られるようになったのだ。ありがとう内田裕也

内田裕也ありがとう

表題の映画はキアヌリーブス出世作「ビルとテッド」シリーズのアレックスウインター氏によるドキュメント作品である。

 

Amazon.co.jp: ビルとテッドの大冒険 (字幕版)を観る | Prime Video

 

どーもアーティストやなんかの伝記映画が嫌いで、というのも、なんでこいつらモノマネしてんだ、って気持ちが先に立ち、共感性羞恥心に襲われて見てらんない。わー、、、、なり切ってる、、、ってなる。題材となったアーティストが好きであればあるほどしんどい。全然似せる気のないやつならまだ見れます。その点この映画は安心。何せZappaの遺品の莫大な資料映像などをピックアップして作られたものだから。実際の映像とインタビューで構成されている。

 

Zappaに詳しい人なら誰でも知っていることだが、Zappaは何でもかんでも残しているので、映画を作るにあたってそれらを整理するだけでも数年かかったそうな。映画の中にはその資料が置かれた倉庫の映像も出てきたが、すごい量だった。家にエリッククラプトンが遊びにきた時に録音したやつ、なんてのも写っていた。以前読んだ何かの記事で、クラプトン側のインタビューが載ってて、「家に着くなりいきなり無言でギターを渡されて、演奏させられた。フランクは例のハンドサインでどんどん曲を変えていくので、何をやってんのか全然わからなかった」みたいな事を言ってた。そのテープの箱の画像が見れただけでも興奮した。いつか聞いて見たいが機会はなかろうな。どっかの楽曲で使われていたりするのかしら?知ってる人教えてください。

 

映画は意表をついて、Zappaの子供時代の映像から始まった。そんなものまで残っているのだ。Zappaが両親の結婚式の動画を勝手に編集してゾンビ映画仕立てにしたやつ、なんてのも流れた。Zappa曰く、編集したかったから編集した、との事。Zappaが編集、オーバーダビングの鬼であるのは周知の事実だが、子供の頃からそうだったのね。

 

そういや俺も子供の頃、小学校6年生の頃だったと思うけど、家にあったクラシックのレコードの有名フレーズを細切れにしてテープにダビングし繋ぎ合わせて、訳のわからない音楽を大量に作って学校で友達に聞かせたことがあった。個人的には爆笑もので自信作だったのだが、皆困ったような顔をして誰も笑わなかった。あそこで挫けてはいけなかったんだな。

 

サージェントペパーズのパロディジャケットで有名なWe're Only It For The Moneyの撮影風景でチラッとジミ・ヘンドリックスも映りますよ。ジャケットでは右端に写ってる。

 

https://amzn.to/3a99l6f

 

見たことないインタビュー映像やなんかが大量に見れてそれだけでも大興奮。国内盤DVDが出れば当然買うけど(海外版はもう発売済)、特典映像として素材映像を入れてくれないかなぁ(字幕付きで)。

 

作曲家になりたかったら不動産の資格を取れって言ってた。

 

変態的エピソードや攻撃的、お笑い的、猥褻的な作風についてばかり取り上げられがちなZappaだけど、今作品ではかなりシリアスな面、とりわけ人物像についての描写中心だった。楽曲についてはほとんど取り上げられなかったが、それでもZappaファンなら誰もが納得できる作品だったと思う。

 

これからZappaを知ろうと言う人にもいいのではないか?と思う。とりあえず、すげーおっさんだったんだな、って事は伝わるから。

 

そういえばZappaの自宅兼スタジオは売りに出され、それをレディガガが買い取ったというニュースを以前見たけど、今でもガガはそこに住んでいるのかしら?ヨネスケあたりがでっかいしゃもじ持ってガガん家行ってくんないかな。

 

こんなスタイルの伝記映画ならなんぼでも見にいくけど、故人のアーティストでこれだけ大量の動画素材が残っている人なんて他にいないだろうから、難しいだろうな。